先日、大阪寄りの和歌山にご在住のご夫婦から「御社をネットで古家改装に強いと見て、購入した自宅の改装を相談したくて…」とご連絡をいただきました。正直、お電話の時点では和歌山は距離があるので難しいかなと思っていましたが、空き家の状態で、施工時期は半年以内であればお任せしますとのことでしたので、見積に伺ってきました。
リフォーム内容のヒアリングや寸法といった現地調査を行い、一通りリフォーム箇所を確認し終えると、奥様の方からとあるご相談をいただきました。
さて、ここからがタイトルにある本題です。
隣接するエリアにある実家がしばらく空き家状態でどうするか困っているので、そちらのご相談もできないかと言うことでした。車で10分の距離で予定もなかったので、「とりあえず見に行きましょう」となり、そのまま伺いました。
現地に着いて家を見てみると、まだ築30年ほどで全然きれいでした。内装も壁紙や畳などは生活感はありますが、キッチンやトイレなどはまだそのまま使えそうです。奥様が言うには田舎で将来親戚含めて誰も住む予定がないので、リフォームして貸し出すか、売却するか悩んでいるとのことでした。とは言え、自宅のリフォーム代もかかるので、貸し出しのためにこの物件にリフォーム代は厳しいとのことで、既に近くの不動産屋さんに査定価格を出してもらっておられました。その価格でも売れるなら御の字ですと仰ってたので、金額を教えてもらうとほぼ土地の値段。地方ではあるあるのパターンです。私の実家も同じで、バブル期に郊外で一帯開発され、一斉に戸建が建てられた新興住宅エリアで、住環境は落ち着いていて良い感じですが、正直、売る時は売却金額、買い手探しに苦戦するだろうなという物件でした。
ただ、建物自体は見たところそこまで大掛かりなリフォーム箇所もなく、駐車場も広く取れています。昔ながらの住宅地とはいえ、近隣に小学校・中学校もありました。近くで同じように賃貸に出ている物件もなかったので、うまくいけばご家族の入居者が決まり、長期入居につながるなと判断し、「私が購入しましょうか?」とお伝えすると、「えっ?本当ですか?」とトントン拍子で決まっていきました。結局、冒頭の自宅リフォーム代と今回の物件の売却代金を実質相殺する形で、お互い気持ちよく進められる結果となりました。
一般的にリフォーム業者が家を買い取るということはありえない(あるとすれば、知り合いの不動産業者にこういった案件紹介をして見返りに紹介料を得る)のですが、当店は私自身が不動産賃貸業をしているいわゆる大家さんなので、直接その場で購入を決断する結果になりました。双方合意の元の取引で不動産業者さんを仲介しないので、仲介手数料(物件価格の3%+6万円と消費税)もかからず、お互いwin-winです。
ということで、今回は「リフォームで和歌山に行ったら家を購入しちゃいました」という面白い展開のお話でした。
この物件の今後についてはまた進捗があれば書きたいと思います^^