昨今、建築業界では人材不足と技術や経験の継承について、大きな課題となっています。
人材不足についてはどこの業界もそうだと思いますが、すぐに一人前となって仕事をすることが難しいのがこの業界。
加えて夏は暑く、重い資材の運搬や日々現場移動といった重労働かつ給与を始めとした処遇はそんなに良くないというのが知れ渡っていて、若年層の成り手が少ないというのが現状です。
最近ではいわゆる大卒出身など、これまではあまり関心を持たれてなかった層に向けて、破格の待遇で採用や育成を始めているところもあり、これから業界の在り方も大きく変わる・変わっていかなければいけない時期にきているなというのもヒシヒシと感じています。
(その分どうしても建築費を始め、お客様の費用負担分が大きくなっていくという状況はありますが…)
最近は「価格転嫁に後ろ向き」な大手が発表されてましたが、中でも最低評価とされている3社はいずれも住宅関連事業をやっている会社なんですよね…。下請け泣かせ・職人は大変だけど仕事もらうためには仕方ないという噂は聞いていたのですが、少しは改善されるといいなと思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/235bf6f656c351f639863c28a136a0f45b834f7c
さて、そんな中、当店の職人仲間には年配の方が多く、その方から若手への技術継承は課題となっています。
今回はまさにそういった現場で、「左官」作業の必要な現場でした。
現場は既存のタイルに割れや浮きが生じているため、対象部分を全て斫り落とし、モルタルで左官するというのが主な工程でしたが、この左官作業、なかなか大変です。
最近はyou tubeやインターネットでDIY動画も多く出ていて、とても簡単そうに見えますが、やるとみるでは大違いで、私も何度かチャレンジしたことがありますが、何度も何度も繰り返してやっとフラットになるといった具合です。
年配職人を見てるとほんの数回(数十秒)できれいに仕上げるので見てて気持ちいいですね。
こういった技術は長年の体験によって体に染みついたものなので、なかなか口頭やマニュアルでは継承できません。
そのため、できるだけこういう現場に若手職人を連れて行って勉強させるようにしています。
当店のような小規模な工務店の場合、どうしても日々の仕事(売上確保)は重要なため、なかなか研修やスキル継承に向けた対応を充実させることは難しいのですが、将来への先行投資ということで年配職人が現役のうちに技術継承をしっかりしていきたいなと思っています。